大雪の日の面接 |
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ある年の大雪の日に、誰もが知っている大手企業に面接に行った。 前社は小規模な会社で、多少ダメモトで応募したら書類が通った。就職雑誌に載っていた「理想の履歴書」をまる写したようなものだ。 経験者はその旨記載、とあったので前の会社での業務内容を記入しておいた。 適正テストと一般常識テストを終えて、面接官の前に座った。何やら渋い顔をして私の履歴書を見てこう言った。 「君の経験は、経験とは言えないね」 一瞬ショックを受けたが、短大受験の面接での横柄な面接官を思い出した。彼は私の高校を知らないと言ったので、開校6年目の学校だと言い返して落とされた。 「それでは、そちらの経験の欄を消しておいて下さい」 と仕事用の笑顔で応戦しておいた。 私は大雪の中、わざわざ出掛けてきたことを後悔しながら帰途についた。 自宅へ戻ると、今度は打って変わって感じのよい青年が電話をしてきた。 「合格なので来週から来て下さい。あー良かった、電話つながって。電車は動いてますか?」 今でも雪が積もってくると、私の切り返しに少し驚いた面接官の顔を思い出す。 |